avatar
蕭富云モバイルアプリ開発者 · Android & Flutter

ルールはどこに住むべきか — 四つの容れ物と、自分たちで組んだ梯子

2026-09-02 · 11 min read

補足: 本記事は AI(Claude)が私の最初のメモと着想をもとに仕上げたものです。

前回、教訓には昇格の手順があると書いた。まず記憶に落とし、同じ誤りを二度正してから、ルール文書へ上げる。あの一段落が書いていたのは、最初の一段だけだった。

実際には四段ある。

容れ物は製品が用意してくれる。自動記憶、自動で読み込まれる CLAUDE.md(@path 記法つき)、スキル、hook。だが、どのルールをどの容れ物に入れるかは何も言わない。いつ上の段へ移すべきかも言わない。この梯子は自分たちで組んだ——しかも途中に、製品が知らない段を一つ差し込んである。

書き下ろしたのは今日だ。だから先に言っておく。この記事は方法であって、経験ではない。

四つの段

誰が起動するか代価
記憶の一項目このプロジェクト、この機械だけほぼゼロ
参照文書(docs/workflow/*.mdモデル。ただしその作業だと気づけば——柔らかい起動読まれたときの注意力
スキル(slash command)使う人が /name と打つ呼ばれるまで無料
hook誰でもない——勝手に鳴るすべての prompt に課金

自分たちで発明した容れ物

二段目は製品のものではない。Claude Code に「参照文書」という概念はない——あれはリポジトリに置いてあるただのファイルで、隣の README と何も変わらない。読まれる理由はただ一つ、常時読み込まれる CLAUDE.md の中の一行がそこを指しているからだ。「サブエージェントに委任するなら、まず委任文書を読め」と。

だから安い。常駐の重さを食わない。多少長く書いても、毎回のセッションの出だしが重くならない。

だが、意図的に当てにならない。いま自分がやっているのが、その文書の扱う作業だと、モデルが気づくかどうかに賭けている。気づけば読み込まれる。気づかなければ、誰も開かなかったファイルのままだ。

hook と並べると要点が出る。hook は誰が選ぼうと選ぶまいと鳴り、そのかわりすべての prompt に課金され続ける。

つまりこの梯子が交換しているのは「少し確実になる代わりに少し高くなる」ではない。一段上がるごとに、代価は金額ではなく通貨が変わる。 記憶はほぼゼロ。文書は注意力を、読まれたその瞬間だけ。スキルは誰かが覚えておく名前を。hook はすべての prompt の重さを。四つの通貨は足し合わせられない。

足せないから、「安い」「高い」では決められない。だから段と段のあいだには、それぞれ固有の問いが要る。

問い一:誰も呼ばなくても、このルールは効いているべきか

文書 → スキルの判定はこれだ。

文書は、すでにやっている作業を縛る。スキルは、その作業そのものだ。順序のある手順であるとき、道具を動かすとき、名前で起こせなければならないとき——上げる。

二つ目が核心だ。誰かが思い出したときだけ効くルールなら、スキルにするのは、その起動を人の記憶に預けることに等しい。

問い二:実際に漏れているか。しかも、静かに漏れているか

文書・スキル → hook の判定はこれだ。

証拠で上げる。予感では上げない。「これはいずれ忘れられそうだ」は理由にならない。それは想像であり、想像はいつも hook を増やす側に票を入れる。証拠とはこういうものだ——ある指標の行が、数回続けて低い。あるいは同じ抜けが記録に繰り返し現れ、回数と期間を数えられる。

本当に上げるなら、形も選ぶ。取り返しがつかない害には止める hook を、失敗が「やり忘れ」でしかないなら促す hook を。

「静かに」は飾りではない。派手に失敗するものに hook は要らない——それは自分で騒ぐし、こちらも自然に対処する。hook は、破られても誰も気づかないルールのためにある。

下る段:外して、その行を見る

上がるだけの梯子は、重くなる一方だ。

方法は地味だ。ルールを外し、その指標の行を数回のあいだ眺め、下がったら戻す。

この段の実例はゼロだ。元の文書自身がこう書いている。「ここではまだ何も降格されていない。これは方法の記録であって、係属中の案件ではない。」その一文はそのまま残しておく。

罠は一つだけ、しかも踏みやすい。守衛がいるあいだ何も起きなかったから、という理由で守衛を外してはならない。 守衛の下で失敗がないことは、守衛が遊んでいる証拠ではない。この二つは外から見ると見分けがつかず、外してみて初めて分かれる。

もう一つ限界を言っておく。「その行を見る」は以前の記事で書いた計測の道具に頼っており、その評価表に実際に行を持つルールにしか届かない。行を持たないルールの証拠は、記録の中で数えた再発回数しかない。ならば数字を言うこと——何回、どれだけの期間で。「よく忘れる」は証拠ではない。

製品が与えたもの、こちらが足したもの

この線を引かないと、読む側は二つを混ぜてしまう。

製品が与えたものCLAUDE.md の自動読み込み、@path の自動読み込み記法、スキル、hook、自動記憶
こちらが足したもの参照文書という層、四つを一本の梯子に並べたこと、そして上り下りのすべての判定基準

容れ物は道具に付いてきた。どの容れ物にどのルールを入れるか、いつ入れ替えるか——それを配ってくれる者はいない。何度かつまずいたあとで、自分たちで書き下ろした。あなたの版はたぶん違うものになる。あなたの取りこぼしは、こちらの取りこぼしとは形が違うからだ。

正直な帳簿

項目現況
この梯子今日書き下ろしたもの。実務での検証はまだ
下る段実例ゼロ——記録したのは方法であって経験ではない
「その行を見る」評価表に行を持つルールにしか届かない。他は記録を数えるしかない

一行で締める

育ちつつある agent の設定を抱えているなら、持ち帰れるのはたぶん一つだけだ。このルールの代価は、どの通貨で払うのかをまず問う。 すべての prompt に課金される通貨は、証拠と引き換えでなければ買えない。